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令和6年からの相続時精算課税制度の申告はどうすれば?
最終更新日:2024年01月11日

令和6年1月1日から相続時精算課税制度が変わりました。

  • ●特別控除2,500万円とは別に、年110万円の基礎控除ができる。
  • ●基礎控除分については、相続財産に加算しない。

相続時精算課税制度の使い勝手が良くなったことにより、これを適用した場合の申告方法に関するお問合せを複数いただいたので、今回は、令和6年1月1日以降に相続時精算課税制度を適用した場合の申告方法についてお話したいと思います。

相続時精算課税は、おじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さんから贈与を受けた場合に、2,500万円までは贈与税がゼロになる制度です。そして、贈与した人が亡くなった場合には、贈与を受けた財産を相続財産に加算して相続税を計算(相続時に精算)することとなります。

改正前は暦年課税の相続前贈与については3年分を相続財産に加算していたところ、改正後は徐々に伸びていき最終的には7年分となる(延長分については総額100万円の控除あり)こととなりました。その一方、相続時精算課税を適用すれば、年110万円までの贈与については、贈与税も相続税もかからないこととなります。

なお、複数の人からの贈与について、両者とも相続時精算課税を適用すると、基礎控除は両者合わせて年110万円となる点に留意が必要です。もしも、ある人から暦年課税贈与を、ある人から相続時精算課税贈与を受けた場合には、それぞれ年110万円の基礎控除が使えます。

今般の改正により、特に、相続財産が相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)に満たない場合で、子や孫に生前贈与をしておきたいという人ほど、相続時精算課税に注目しているように見受けられます。

以下、令和6年1月1日以降の相続時精算課税を適用した場合の贈与・相続に関する申告の方法をまとめました。

  • ①贈与を受ける。
  • ②贈与を受けた人は、最初に贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日の間に贈与税の申告書と共に相続時精算課税選択届出書と添付書類を提出する。(贈与額が基礎控除以下の場合には、相続時精算課税選択届出書と添付書類を提出する。)
  • ③その後贈与を受けた場合には、贈与税の申告書を提出する。(贈与額が基礎控除額110万円以下の場合には、贈与税の申告は不要。)
  • ④相続が発生したら、相続財産に贈与を受けた財産(基礎控除分は除く。)を加算する。この計算の結果、その金額が相続税の基礎控除額以下の場合には、相続税の確定申告は不要。

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