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ふるさと納税をしたからって税金が安くなるわけではない
最終更新日:2025年10月14日

この時期になると、ふるさと納税に関するお問い合わせが増えてきます。

特に多いのが「自分はいくらまでふるさと納税できるか」という、控除上限額の相談です。最近の私の回答としては、「所得金額と所得控除と税額控除の金額を入力して、Chat GPTに聞いてみてください。」です。ChatGPTは、意外と正確に限度額を試算してくれます。

限度額については、ChatGPTで簡単に調べられるとは思うのですが、ふるさと納税の制度に関する誤解が多く、ここの部分についてはちょっと説明が必要かな…と思うことがよくあります。

よくあるのが、「ふるさと納税をすれば、2,000円の負担で税金が安くなる!」という考え方です。

しかし、実際には少し違っています。

ふるさと納税とは、本来 国や自分の住んでいる自治体に納めるはずの税金を、別の自治体に振り替える制度なのです。

例えば、ふるさと納税が20万円で実質負担額が2,000円とすると、2,000円の手数料を払って、198,000円をふるさと納税先に納めるということになります。そして、ふるさと納税先は「寄付ありがとう」の気持ちを込めて、返礼品を送ってくれます。

寄付金は所得税・住民税から控除されますが、その代わりに、そのふるさと納税先に納付される手続を取っている感じになるので、納付の相手先が変わるだけで税金が少なくなるわけではありません。ただ、所得税・住民税が原則として決まった時期に支払わなければならないのに対し、ふるさと納税は、自分が納めたいときに税金の前払いをできるので、そういった意味では便利な制度です。

ふるさと納税額が、所得に対して大きすぎて、実質負担額が2,000円を超える場合もあると思います。その場合の考え方ですが、実質負担額をふるさと納税の手数料と考えると、限度額を超える場合には、手数料が増えることとなります。ただ、ふるさと納税の場合には、返礼品があるのが通常と考えられますので、手数料分と返礼品の価値を比較して、あえて、実質負担額を2,000円超にして寄付をするという手もあると思います。税金の前払いと考えると、イレギュラーな収入で所得が上がって来年の税金が怖い…といったときに、ちょっとしたメリットも感じられる場合もあるのではないでしょうか。

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